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江戸川乱歩 『江戸川乱歩傑作選』

今日は特別編
巨匠江戸川乱歩の傑作選をご紹介します


内容
日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。



感想
巨匠江戸川乱歩の傑作選。
子供の頃少年探偵団シリーズは読んだが、純粋な乱歩の小説とは馴染みがなかった。
乱歩の世界を覗いてみる

独特の雰囲気をかもし出している短編集でした。
乱歩の処女作『二銭銅貨』をはじめ、9編の短編が収録されています。

明智小五郎が登場する探偵小説から現代でいう恐怖小説やホラーといった猟奇小説まで乱歩の世界を堪能することができます。
乱歩小説の入門書という位置づけです。

まず探偵小説に出てくる犯罪者たちは薄気味悪いがどこか憎めません。
どこか犯罪を作品として楽しんでいるように思います。
現在でいうと「愉快犯」というものかもしれません。
しかし世間を震撼とさせる大犯罪ではありません。
あくまでも地味に自分一人で犯罪を楽しんでいます。
趣向の犯罪というものでしょうか。
彼らは皆、陰気で不気味な犯罪者たちばかりです。
そんな彼らが明智と相対します。
特に「心理試験」の明智の分析能力は圧巻です。

一方、猟奇小説は描写がグロテスク。
「芋虫」が気味が悪い。
短編の中では人気がある作品。
戦争で手足を失い口も耳も失って大きな肉の塊となった夫を介護する妻の話。
タイトル「芋虫」はそんな夫の容姿からきている。
なんというタイトルをつけるのでしょう
これがなんと昭和4年発表作品らしいです。
発表当時、「反戦的な作品である」と軍部から睨まれたいわくつきの作品のようです。
今こんなタイトルをつけて発表したら抗議がきそうです。

他ではおもしろかったのは「二銭銅貨」と「屋根裏の散歩者」と「人間椅子」でした。
「二銭銅貨」では暗号が出てきます。
かなり凝った暗号ですが、南無阿弥陀仏の羅列というのが気味が悪い。
そしてその暗号を解読するのだがそこには大きな仕掛けが隠されています。
これが1923年(大正12年)の作品というのだからすごいとしか言いようがない。

屋根裏の散歩者は退屈している男が天井裏を徘徊する趣味を見つけ、ある時ふと屋根裏からの殺人を思いついてしまう話。
退屈しのぎのただの覗きがやがて殺人へと変わっていく。
殺人を見事に成功させた男と明智との心理戦が見ものです。
いわゆる倒叙物小説というやつです。
昔土曜ワイド劇場で「屋根裏の散歩者」が原作になった作品がやっていたのを思い出しました。(天地茂の明智探偵シリーズです)

「人間椅子」は容姿の醜い椅子職人が自ら椅子の中に入り、座った人の人肌を感じることに快楽を感じる男の話。
なかなかこんな奇抜な発想は浮ばないでしょう。
今でいうと究極のストーカーですね。
しかし結末でしっかり驚かせてくれました。

言葉遣い、通貨、戦争などその時代の世相や世俗が随所に描かれています。
禁止用語もたくさん出てきます。
古臭い感じが余計に気味の悪さを感じさせます。
昔の古臭いサスペンスの再放送が妙に見ているほうに薄気味悪いイメージを与えるのと似ています。
現在の小説と比べて枠にはまっておらず奇想天外な発想が逆に新鮮です。

江戸川乱歩賞受賞の作品を読んだことがあっても、乱歩自身の作品を読んだことがないという人って結構いるのではないでしょうか。
ぜひ一度乱歩の世界を味わってみてください。

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theme : ミステリ
genre : 小説・文学

tag : 江戸川乱歩

comment

Secret

No title

江戸川乱歩は少年探偵団の頃から何回も読みました。
子供の頃、図書館で一日中読んでいたことが思い出されます。
「芋虫」や「屋根裏の散歩者」を読んだのも小学生でした。
それから団鬼六にはまり、
おかげで、すっかり変態になってしまいました。
しかし、小心者なので実戦はしていません。
変態、ばんざい!

Re: No title

清貧おやじさん
いつもコメントありがとうございます。

決して実戦してはいけませんよ。
犯罪ですから。(笑)

清貧おやじさんは変態だったんですね。
この乱歩ワールドを小学生の時すでに味わっていたなんて。
まさか読書感想文なんて書いてないですよね?(笑)

No title

思えば、私が推理小説を書き始めたのも、この本が原因でしたかねえ。。。
ヘンタイは元々からでしたがw ゆえに馴染みやすかったです。
特に鏡地獄が好きです。長編では「化人幻戯」がオススメします。

Re: No title

紅蓮サクラ さん
コメントありがとうございます。
乱歩の作品はこれから少しずつ読んでいきたいです。
作風が独特なので少しずつ馴染んでいきたいです。
具体的は作品名を上げていただいてありがとうございます。

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