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東野圭吾  『宿命』

内容
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に10年ぶりに現れたのは学生時代のライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの2人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。



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感想
宿命なんて言葉は日常生活であまり使わないですよね。
もちろん人生の中で宿命なんて感じたこともありません。
スポーツの世界では「宿命のライバル」なんて言いますが・・・。
そんな「宿命」がタイトルになった作品。
どんな宿命が待っているのか。
期待して読むことにした。



この作品は「白夜行」や「秘密」の原点とされています。
事件の謎解きよりは主人公の半生を描くことを重視しています。
本書は「宿命」という見えない糸に操られた2人の男の半生を忠実に描いた作品です。

主人公は和倉勇作と瓜生晃彦
そして勇作のかつての恋人で現在晃彦の妻となっている美佐子が二人に絡んできます。

物語は主に和倉と美佐子の視点で展開していきます。
晃彦の心理描写は幼少時は勇作の視点から、現在は妻美佐子の視点からとなります。

幼いころ勇作がよく遊びに行っていたレンガ病院で勇作と晃彦は出会います。
これが最初の宿命です。

その後二人は同じ学校に通うことになるのだが、勇作は妙に晃彦に対抗意識を持ちます。
なぜそこまで執拗に意識するのか自分でもわかりません。
だが晃彦は勇作に対して感情をあらわにしません。
晃彦は不思議な男でした。

対極の関係にある2人だが不思議と同じ道を歩もうとします。
同じ医科大学受験することになったのです。

しかし数年後結果的に晃彦は医者になったが勇作は警察官になるのでした。

そんなある日、UR電産の新社長が殺害される。
UR電産は晃彦の父で故瓜生直明が社長をしていた会社である。
2人は殺人事件の捜査を通じて再び再会します。
見えない糸で皮肉にも2人はまた引き寄せられたのです。
これが第2の宿命です。

しかし晃彦は相変わらず謎が多い男。
妻美佐子にも決して心を開かないのである。
幼き日のと変わることのない晃彦。
なぜ晃彦は心を閉ざしているのか。
刑事となった勇作は晃彦に疑いの目を向け独自に捜査を始める。

勇作と晃彦には常に宿命がつきまといます。
彼らは人生の分岐点で無意識のうちに彼らが背負うべき宿命に準じた道へと進んでいます。
もし勇作が警官でなく医者になっていたら。
もし晃彦が医者でなく社長になっていたら。
どちらか一方でも違っていたら最後の結末を迎えることはないでしょう。
目には見えない宿命の力というのは恐ろしいものです。

さて、ラスト一行をどう解釈してよいのでしょうか。
東野圭吾はこの一行にまずこだわってこの作品を描いたとあります。

東野圭吾ほどの作家だ。
きっと深~い意味が込められているにちがいない。
私は読んだ後「宿命」のラストについて調べてみた。
しかし詳しくは書けないが、多少解釈に違いはあるもののこの「ラスト一行」に込められた意図が理解できなかった。
私はもっと読者の妄想を掻き立てるような一行を予想していただけにちょっと残念だった。
「秘密」を読んだときのような深い余韻を味わいたかったです。

もしかすると東野圭吾の作品に目が肥えてしまったのでしょうか。
以上が一ファンとして読み終えた直後の正直な感想です。

しかし全体としての話の構成展開、文脈のセンス、独特の言い回しは流石。
予想もつかない衝撃の結末はまさにタイトルそのものです。


ところで宿命と運命の違いを知ってますか。
「宿命」とは生まれた時にすでに決まっているもの。決して自分では変えることが出来ないもの。
「運命」とは自分の心の持ちようでどうにでも変えられるもの。

本書はまさに「宿命」の方ですね。

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theme : ミステリ
genre : 小説・文学

tag : 東野圭吾

comment

Secret

こんばんは

『宿命』。
確かに私も『白夜行』『秘密』の原点とポップに書いてあり、
ものすごく期待して読んだだけに・・・ちょっと、違うなぁと
思いました。ラストが読めても、感動した『白夜行』と。
やっぱりね、と思ってしまった『宿命』と。
『白夜行』が私の中でもお気に入りに入っている分、過剰に
期待しすぎたか・・・と反省。
東野氏を立て続けに読んだからかな?と、しばらく間を空けよう
と、思った作品でした。(白夜行の余韻が抜けるまで。)

Re: こんばんは

猫読みさん はじめまして
コメントありがとうございます。

宿命を絶賛している方もいらっしゃるので評価は人それぞれですね。
私の場合は白夜行と秘密が一押しですね。

私も東野作品を多く読んでいるので、他の作品と比較してしまいます。
だから評価が厳しくなってしまうのかもしれませんね。
また遊び来てくださいね。
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