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折原一 『倒錯の死角 [201号室の女]』

内容
覗く男と覗かれる女究極の折原マジック
ベットの上にのびた恍惚の白い脚──男の妄想が惨劇を呼ぶ!
ベッドの上に白くすらりとした脚が見える。向かいのアパートの201号室に目が釘付けになった。怪しい欲望がどんよりと体を駆けめぐる。
あちら側からは見えないはずだ──屋根裏部屋から覗く男と覗かれる女の妄想がエスカレートし、やがて悪夢のような惨劇が。折原ワールドの原点ともいうべき傑作長編!



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感想
またしても折原ワールドの扉を開けてしまった。
今度こそ私を驚愕させてくれ。
期待を込めて読み始めてみた。

驚愕までは程遠いが一応満足はできたという感じです。

今回ももちろん叙述小説です。
折原氏の倒錯シリーズの一つです。

本書はとても読みやすかったです。
文章体もあまり凝っていなくて至ってシンプルな構成です。
主に登場するのがこの3人。
清水真弓 (旅行会社の新入社員)
大沢芳男(翻訳家、元アル中)
曽根新吉(大沢と同じ施設で入院していたアル中のコソ泥)

大沢芳男は元アル中患者。
彼はアル中の治療施設を退院して、伯母と再び一緒に暮らすことになった。
そんな大沢はとんでもない趣味の持ち主だった。
それは「覗き」。
大沢はかつて向かいのアパートを覗いていた。

清水真弓は旅行会社の新人OL。
上京して向かいのアパート201号室に越してきた。
後に研修旅行で知り合った高野広志と不倫関係に陥る。

曽根新吉も元アル中で現在もアル中。
入院していた時から大沢のことが気に入らない。
勝手に大沢に恨みを持ち周辺を嗅ぎまわるコソ泥である。


ある夜から大沢は真弓の部屋の覗き始める。
昔の悪癖が再び始まったのだ。
真弓の私生活は覗き放題だった。
カーテン全開でエアロビ。
不倫相手とのSEX。
そんな行為を毎日覗いていた大沢はしだいに真弓に対して妄想を抱いていきます。

「あいつは俺を誘惑している」

大沢の勝手な妄想はどんどんエスカレートし、やがて欲求不満になったいった。
そしてあるきっかけで酒を飲んでしまった大沢は豹変する。
元アル中が再び酒に手を出した。
その晩大沢は記憶を失った。

翌日、目を覚ました大沢はとんでもないものを目にする。
「全部あいつが悪いんだ。あいつが俺を誘惑するから・・・」
やがて彼の勝手な妄想は真弓への敵意となった。


そんな大沢の周りを嗅ぎまわる曽根新吉。
真弓の存在を知った曽根は彼女の部屋に忍び込む。
そこで日記を盗み読み、真弓の不倫と大沢の本性を知る。

「こいつはおもしろいことになるぞ」

曽根は下劣な罠を彼らに仕掛ける。


本書は主に大沢、曽根、真弓の視点で展開していきます。
3人はトラブルことなく物語は淡々と進んでいきます。

いったいどこに作者の罠が仕掛けてあるのか。
予想できません。
しかし裏では読み手が気づかないもっと大きな企みが進行していたのでした。
そして結末で芋ずる式にこの小説の全容があきらかにされます。

私的には「騙された」というよりは「そうだったんだ」という印象でした。
読者は結末で騙されたことを知ったとき、今まで自分はとんでもない思い込みをしていた事に気づかされます。
読者にそう思わされるだけの伏線が張られているからです。
それが叙述小説です。
しかし本書には決定的に騙されたというポイントがなかったように思う。
伏線の張り方に弱さを感じました。

ところで「倒錯」という言葉、あまり聞きなれない言葉ですね。
倒錯=本能や感情などが本来のものと正反対の形をとって現れること
要するに精神状態がまともでないということらしい。
精神分析とかでよく使われる用語みたいです。
最後の袋とじで明らかになった大沢芳男の本性。
小心者で屈折している。
まさに「倒錯」そのものです。
この本に出てくる人間にまともなヤツはいない・・・。


「叙述小説」はとても評価が難しいです。
「叙述小説}という言葉が前面に出ている分、作者が仕掛けてくるトリックに対して過度の期待をしてしまっているようです。
さらに読めば読むほど期待は膨らんで、結末で期待程に裏切られず落胆する。
そんな感じがします。
しかしどうにも止められないのも叙述小説の魔力です。
次はどんな罠を仕掛けてくるのか・・・と。
折原氏の作品をまた手に取って読んでしまいます。

近いうちに折原作品を紹介する時が来るでしょう。

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theme : ミステリ
genre : 小説・文学

tag : 折原一

comment

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No title

「倒錯のロンド」という本 なら読みました。
折原さんの書くやつは、
頭の鈍いオヤジには、
読んでいて、
わけが分からなくなってきました。

Re: No title

清貧おやじさん
コメントありがとうございます。

叙述小説は読者を混乱させるところが特徴なので仕方ないですね。
あまり深く読まないほうが良いかもしれません。
なんとなく読んでいてもそのうち話がつながってくるものです。
よくわからないうちに終わってしまう叙述小説は完成度が低い作品だと私は思います。

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