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東野圭吾 『さまよう刃』

テンプレートを変えました。
今後ともよろしくお願いします。
今回は東野圭吾の社会派小説をご紹介。


内容
自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。



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感想
寺尾聡主演で映画化もされたこの作品。
社会問題の一つ「少年法」がテーマ。
重そうなテーマだが東野圭吾がどのように描いてくれるのか期待大で読んでみた。
期待通りの作品でした。
やはり東野作品は読者を裏切りません。
本書は一度読み出すとなかなか止まりません。
文章体も読みやすくなっているのでどんどん読み進められます。
そして主人公長峰に感情移入し深みにはまってしまいます。

理不尽=道理をつくさないこと。道理に合わないこと

こんな理不尽なことがあってよいのだろうか。
少年犯罪は理不尽なことだらけだ。
遺族感情は「理不尽」の一言に尽きるだろう。
私が本書で感じた4つの「理不尽」を挙げてみることにします。

1)愛娘がレイプされて虫けらのように殺された理不尽さ
2)凶悪犯罪を犯した少年は「少年法」に守られて極刑を課すことができない理不尽さ
3)遺族が司法の代わりに少年に制裁を加えることは絶対に許されないという理不尽さ
4)遺族が少年に復讐することを阻止しなければいけない警察官の理不尽な思い

1)大事な愛娘を失った長峰の理不尽な思いは計り知れない。
  一夜にして犯罪の被害者となってしまったのだ。
  不幸のどん底に叩き込まれ生活が一変した長峰。
  「もし自分が長峰と同じ立場になったらどうするだろうか」
  読了するまで私の頭の中には常にこの問いかけが存在していた。
  
  現実に私たちは報道によって犯罪被害者の存在を知る。
  そして我々は被害者や遺族たちに対して「可愛そうだな」とか「気の毒だな」という気持ちになる。
  しかしそこには ”自分には決して起こりえない世界の話” と思っている自分がいる。
  おそらく被害者の遺族になってしまった人も昨日まではそう思っていたであろう。
  
  被害者の遺族の本当の悲しみは実際に自分の身に起こってみないとわからないのかもしれない。
  だから「長峰と同じ立場・・・」なんて問いかけは愚問なのかもしれない。

2)「司法は本当に遺族を救うことが出来るのか」
  この問題はすべての事件、事故について言える事だ。
  しかしこれが「少年犯罪」となるとこの問題はさらに理不尽なものになって遺族を苦しめる。
  なぜなら犯罪を犯した少年は「少年法」という時代遅れの法律に守られてしまうからだ。
  本書は少年法について遺族の立場から深く考えさせてくれる作品である。
  早急に時代遅れの少年法の大改正を望みます。
  人を殺して心身が未熟で無罪、減刑なんてありえない。

3)長峰は犯人の少年の1人を殺すことで復讐の鬼と化す。
  司法が裁けないなら俺が裁く。
  当然の思いだろう。
  「復讐をしても遺族の心は救われない」ということをよく耳にする。
  本書でもたびたび登場し、長峰本人もそんなことは分かっていると言っていた。
  しかし大事な人を殺された遺族はは今さら救われて安らぎたいなど思うのだろうかと私は思う。
  これも実際同じ立場にならないと遺族の本当の気持ちはわからないだろう。

4)少年と長峰の行方を追う捜査員たち。
  その捜査員の一人に織部という刑事がいる。
  彼は刑事であるがゆえに長峰の復讐を止めなければならなかった。
  
  「あんなヤツ(少年)は復讐されて殺されてしまったほうがよい」
  彼は決して警察官が持ってはいけない感情と葛藤していた。
  そんな彼に上司である久塚班長はこう諭した。
  「自分の気持ちを誤魔化さなくてよい、そう思うのは人として当然だ」
  私はこのシーンがとても印象に残った。
  現場の警察官が遺族の次にこの「少年法」の理不尽さを感じているのかもしれない。

本書は私たちに少年犯罪が引き起こす様々な問題を提言してくれます。
非常に重い提言です。
しかしその答えはなかなか見つからない。
やはり感情論が先に立つからであろう。
みなさんは本書を読んでどのように感じられるでしょうか?
遺族の憤りを感じて、ぜひ一考いただきたい。

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theme : ミステリ
genre : 小説・文学

tag : 東野圭吾

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