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森博嗣 『すべてがFになる』

内容
密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。



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感想
理系推理作家 森博嗣のデビュー作です。
どんなトリックが仕掛けられているのか。
私も理系なので読んでみた。
トリックがすごい。
納得です。まずこの仕掛けは気付かないでしょう。
完璧を誇るコンピュータ監視システムの中での密室トリック。
恐れ入りました。
「コンピュータの証明は絶対的なものである」 という人間の情報機器への依存を見事に利用したトリックです。
コンピュータは 0or1のデジタルの世界。
それを逆手に取ってトリックに利用する発想は理系出身の作家でなければ思いつかないのではないでしょうか。
ちなみに東野圭吾氏も理系出身です。

舞台となるのは妃真加島(仮名)
実在の島はおそらく日間賀島です。
実は私事なんですがここに遊びに行ったことがあります。
もちろんこのような研究所は存在しませんけどね・・・。
たこが有名です。
そして愛知のN大学とはおそらくあの大学がモデルなんでしょうね。
地元にまつわる話は親近感が沸きます。

さて物語の主な登場人物は
真賀田四季、犀川創平、西之園萌絵

彼女たちは頭が良すぎます。
存在感が秀でています。
そのなかでも犀川、萌絵が天才と称する 真賀田四季博士。

まずはこの真賀田四季博士と萌絵の面会シーンからスタートします。
ここの話がちょっと難しい。一回読んだだけでは理解不能です。
中でも ”7”が孤独という話がおもしろい。後でちょっと解説します。

本書では理系の話が多く出てきます。
森博嗣の作品がそもそも理系の知識を織り込んだ作品なのです。

理系分野が苦手な人は出てくる用語がチンプンカンプンかもしれません。
進数、トロイの木馬、コンパイラ Telnet etc
コンピュータ言語がふんだんに登場してきます。

しかしコンピュータ言語を知らなくてもなんとなく雰囲気だけ感じ取ればよいと思います。
「ハイテクを駆使した研究所の制御コンピュータが暴走する」
この緊急性は十分に伝わるでしょう。
理系出身の人はさらに読み込んでいくことで一層「すべてがFになる」を楽しめるでしょう。


妃真加島にある研究所。
ゼミのキャンプで妃真加島に訪れた犀川ゼミの面々。
犀川と萌絵は夜ひそかにキャンプを抜け出し研究所を訪れます。
天才プログラマー真賀田四季に会うために。

しかし研空所を訪れた彼らの前にとんでもないものが出現したのです。
真賀田四季の部屋から両手足を切断されロボットに乗せられた惨殺死体が現れたのです。
その死体は萌絵が先日モニター越しに面会した真賀田四季博士その人であった。

それと時を同じくして研究所のコンピュータシステムが暴走します。
完璧を誇るハイテク研究所にいったい何が起こったのか。

真賀田四季は親殺しの罪で裁判を受け15年間研究所の地下で独り隔離されていました。
死体の状態からして殺されたのは間違いないのです。
しかし真賀田四季の部屋は入退出が常時監視されデジタル録画されています。
その記録によると何者かが進入した形跡はないのです。

では完全密室な真賀田四季の部屋でどのように殺人が行われたのか?
犯人はどんな手段で部屋に進入しそして脱出したのか?

この謎を解かない限り、犯人が存在しない殺人事件となってしまいます。
これが本書の最大謎なのです。

そして真賀田四季の部屋のモニターに残された 「すべてがFになる」 という不可思議なメッセージ。
結末でこのメッセージが持つ意味が明らかにされた時、読者はとんでもないカラクリが仕掛けられていたことを知るでしょう。
色々な意味で ”計算”つくされたとても恐ろしい計画です。
こんなことがあってもいいのでしょうか。
倫理感のみじんもありません。

しかしながら見事なトリックでした。
ただ最後の図書室のシーンが?でした。
私には意味がよくわからなかったです。

森博嗣S&M(犀川&藻絵)シリーズはここから10巻まで続きます。
理系人間としては要チェックです。


さきほどの解説
Q:1から10までの数字を二組に分けて両方ともグループの数字を全部掛け合わせる。積が等しくなることがあるのか 
A:ありません

証明します 
1から10までの数字を素因数分解する。
1=1
2=2
3=3
4=2×2
5=5
6=2×3
7=7
8=2×2×2
9=3×3
10=2×5
これにより10個の数字を2つのグループに分ける。
グループの数字を全部かける。
7がいるグループの答えは必ず7の倍数になります。
つまり7がいないグループは7の倍数になりえない。
よってお互いの積(かけた答え)同士が等しくなることは絶対にないのです。

つまり7だけが浮いた存在。
7だけが孤独なのです。

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theme : ミステリ
genre : 小説・文学

tag : 森博嗣

comment

Secret

森ミステリ

ついに森ミステリの世界に足を踏み入れてしまいましたね。
森作品は、シリーズ間で繋がりがあるのですよ。
他のシリーズでも真賀田四季や萌絵が再登場している模様。

本作は、『F』の意味は途中でなんとなく気付いたのですが、
トリックはさらにその上を行ってましたね。
動機はあまり納得していないけれど。

Re: 森ミステリ

翠香さん
コメントありがとうございます。
足を踏み入れてしまいました。
つながりがあるとは期待大ですね。
複雑なトリックをぜひ拝みたいですね。

翠香さんは全巻読まれたのでしょうか?
私も読破目指す所存です!!

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